生きることの楽しさ なだいなだ
精神病院に閉じ込めておいた場合、患者さんは「こんなところにぶち込みやがって、好きな酒をもう何か月も飲んでないぞ。ここを出たら１杯飲んでやろう！！」という気持ちで退院の日を待ちますね。
ところが、鍵を開けて自由にして、帰る電車賃を持たせると「飲もうと思えば飲めるけど、やめておこう。病院生活でお酒を飲んで帰ったら格好悪いし、みんなにも迷惑をかける。それに他の人たちだって、みんな飲まないでやっているじゃないか・・」ということになるわけです。
そして３か月飲まないでいたことが、いつの間にか本人の自信になっていくのです。
このことで、私は人間にとって自由というものが、いかに重要かが分かってきました。
自分で自由に生き方を選択することが「生きること」ではないかと思っています。
自分で選択したのだから、善かれ悪しかれ自分の責任なんです。
そして、どんなに悪い運命でも俺が選択したんだという受け止め方をすることが、面白く生きるために重要なことなのではないかと思います。