下座に生きる 神渡良平
はがき道を広めている坂田道信さんという人がいます。
子どもの頃は落ちこぼれもいい所でした。
ところが恩師に勧められて、1日30通のハガキを書くようになりました。
それから27年、坂田さんが書いたはがきは20万通を超すまでになりました。
ハガキを書くことで坂田さんは、多くの気づきを与えてもらい、それまで見えなかったことが見えるようになりました。
例えば、煮物をするとき、灰汁は掬い取って捨てたらいけないという。
料理にコクが出るのは、灰汁があるからだというのです。
それと同じように、家族の中でも一見やっかい者に見える人がいるし、会社の中でも成績が悪く、一見お荷物に見える人がいる。
そういう人を排除したくなるのが人情だが、人間の成長、組織の成長はそういう人を通して行われるといいます。
坂田さんの例は2つのことを語っています。
1つは、自分を見限らなくなったとき、無限の能力が開花し始めたことです。
自分は能力もないつまらない人間だと思いきや、どうしてどうして、天は大変な能力を授けていたのです。
2つめは、1つのことに徹し継続して努力すれば、必ず花が開き、実を結ぶということです。
私はこれで人生に花を咲かそうと1つのことに打ち込んでいくと、眠っていた能力が開花してくるのです。
問題は途中で隣の花が紅く見えたり、自分の個性は今の仕事にあっていないんじゃないかと思ったりして、腰砕けになり継続できないことです。
手ごたえのある人生を送ろうと思ったら、自分を見限らずに1業に徹することです。