いつでも死ねる 帯津良一
地球上には70億人もの人間が住んでいます。
1人一人が、自分の人生を一生懸命に生きています。
人の数だけドラマがあって、誰もが主人公なのです。
いい映画は、例外なくラストシーンが素晴らしい。ラストシーンをいかに輝かせられるか、順風満帆、平穏無事に生きる主人公では面白くも何ともありません。
主人公がさまざまな困難にぶつかり、それを何とか乗り越えて、スリル一杯の中でラストシーンにもっていくことで、見る人を感動させることができるのです。
ガンになったとき、おろおろしたり落ち込んだりするのは当たり前ですが、そこで一呼吸入れて考えていただきたいのです。
自分の人生ドラマの演出家として、今の状況を見つめてもらいたいのです。
自分の人生は、自分でシナリオを書き、自分で演出しているのだと、視点を変えてみると、ガンという病気の意味が変わってきます。
ひょっとしたら、人生をよりドラマチックにするために、ラストシーンを輝かせるために、ガンというシナリオが書かれたのではないでしょうか。