医者ががんにかかったとき 竹中文良
ザ・ウエルネス・コミュニティ自体は、アクティブな患者になろうという言葉を掲げています。
「私はあなたの命を生きるわけにか行かないんだ。あなたが自分が欲するように、自分で生き方を選択しなさい」この考えこそがメインのコンセプトなんですね。
そしてそれを掴むために、患者さん同士で7~8人から10人ほどのグループをつくり、その中で話し合ってもらうというプログラムを行っています。
アメリカと違うと感じるのは、日本の患者さんが一番知りたがっているのは医者とのコミュニケーションの取り方だということです。
アメリカでは、1人の患者さんに30分くらいかけて、治療方針や診断をゆっくり話し合います。
しかし、日本の場合は医者が非常に忙しく、患者さんは自分の病気自体よく理解していません。
何のためにその治療が必要で、どの程度メリットがあるかというような説明もはっきり受けていない。
そこで、セカンドオピニオンサービスを始めました。
「抗がん剤を何回もやったせいで自分は弱ってきた。医者はもっとやるというが、本当に続けた方がいいのか?」
「80歳になってがんと診断された。手術をすれば治るというが、受けた方がいいのか」といった、その人の死生観に関するような相談が非常に多いのです。
そうなってくると、我々のような臨床医だけでは難しい面もあるので、緩和ケアの先生も交えて話を聞くようにしています。