老後資金のほとんどを使わずに亡くなっている

ゼロで死ぬ ビルパーキンス

自分のお金を身内に相続したり、慈善団体に寄付するのは自由です。
ですが、誰かにお金を与えるのなら死ぬまで待つ必要はないでしょう。
お金を使うタイミングが遅すぎるのが問題なのです。

退職者全体で、いつまでも収入と同程度の支出を続ける傾向にあり、退職しても資産には手を付けないという傾向を示しています。
資産額の多い人は、死亡するまでその金額の11.8%しか使っておらず、88%以上を残して亡くなっています。
資産額が少ない人たちでも、退職後の18年間で資産の4分の1しか減っていません。
反対にその3分の1の人たちが、退職後に資産を増やしています。
現役時代に「老後のために貯蓄する」と言っていた人も、いざ退職したらそのお金を十分に使っていないのです。

なぜ退職者は、老後の速い段階でお金を使おうとしないのでしょうか?
まず、お金を使いたいという意思はあるものの、年を重ねるごとにやりたいことが変わり、意欲も薄れていくからです。
リタイア後は、老後の楽しみにしていた経験をしたくてうずうずしています。
それを行動に移す気力も体力もあります。
その後人生でやり残したことも徐々に減り、体力も衰えるため、行動は穏やかになっていきます。
さらに年を重ねると、どれだけお金に余裕があっても、積極的に行動しようとしなくなります。