人間の体を構成している細胞は、年間に75%が入れ替わっているそうです。
皮膚・胃・腸は3~4日ですべて新しい物質になり、角膜も1週間で入れ替わります。赤血球は125日程度で、肺・すい臓・脾臓は400~500日で入れ替わります。
比較的ゆっくり入れ替わるのは骨で約5年、筋肉は約7年かかるそうです。心臓と脳については、細胞の入れ代わりがまったくないか、あっても遅いペースで細胞が入れ替わっているといいます。
人間の体の中では、1分間に2億個の細胞が死に、新たに2億個の細胞が作られています。過去から継続していると思われている記憶も、実は毎晩「欠かさず作りなおされている」ようなので、「昨日の記憶」と「今日の記憶」は別物だと言います。
このように見ていくと、自分が生まれてから現在に至るまで「自分の継続性」は思っているほど強固なものではありません。「私はこう思う、僕はこうだ!」と自己主張する拠り所はあまりないことになります。
私という存在も、さっきまで誰かの細胞だったものを受け入れ、それを利用して今の姿を形作っているだけの現象と考えると「自分という個性にあまり拘ること自体おかしいのかな」と思えてきます。このように考えていくと、返って落ちついた気持ちになるので不思議です。