穏やかな最期のために 5

日本人の死に時より 医師の書

早い死というのは、患者さんを見捨てるということではありません。
苦しむ時間を短くするという意味です。
食事や排せつなどが自力でできなくなると、これ以上生きることの意味が見いだせなくなってしまいます。
それを励ましで、無理に頑張らせたり、延命治療で長引かせるのは残酷なことです。

死が避けられない状態になってから、少しでも長くとあがくのは手遅れです。
そうなる前に、時間は十分あったはずです。
元気な間に、思いきり努力して、考え、楽しみ、生きておくべきです。

その手ごたえが自分なりにあれば、いざとなっても少しは落ち着いていられることでしょう。