税金を貨幣で払う意味

お金の賢い減らし方 大江英樹

貨幣に最も価値の裏付けを与えることのできるのは、貨幣を使って税金を払うことができるということです。
昔は米や労働力、そして布などの繊維製品を税として納める制度がありました。
ただこれには大きな徴収コストがかかります。
従って現在は税金を原則貨幣で支払わなければならないとされています。

もし世の中に税がなければ一体どうなるでしょうか。

警察はありませんから、自分の家を守るために高いお金を払ってパワフルな警備会社と契約するか、ボディーガードを個人で雇うしかありません。
道路も橋もその地域に住む人たちがお金を出し合って造ることになるでしょうから、外から来た人はみんな通行料を払わなければなりません。
また学校はすべて私立しかないことになりますし、生活保護の制度もありませんから、貧しい人は学校に行けないとか、生活できなくなって飢え死にしてしまうことになるかもしれません。

つまり、私たちが安心して生活できる背景には「税金」というシステムがあり、そのシステムを支えているのが私たちが支払う貨幣だということなのです。