神さまが試さされている

人のご縁ででっかく生きろ 中村文昭

以前は夢に向かってストイックに自分を追いつめ、頑張り、何かを達成することに喜びを感じていましたが・・・。
今は、未来の着地点は何となく決まっていて、未来から自分が試されているのかなあ、なんて思っています。

徐々に商売が軌道に乗り、「これはいけるぞ」と思ってから、また2~3年が過ぎた頃、「えっ、自分は何なやろうな」と迷い、苦しむようになったのです。
というのは、商売もやっと余裕ができ、ふと周りを見渡すと、店が儲かるようになった人は、いい車に乗り始めます。
きれいな彼女を連れて歩き、高い店に飲みに行くようにもなります。
そういう人たちを見ていると、自分もそちらにぐいっと引っ張られていきそうになります。
そんな世界に吸い寄せられそうになるのです。

しかし、「いや、僕、一体何のために店作ったんやったっけ」そう思って踏みとどまり、「何のために稼いだ金使うんやったっけ」と自問自答し、悶々と葛藤が続きます。

そうして僕は、結局、目の前のことを懸命にやるしかない。
そう気づいて行動していくと、水がサラサラ流れていくように、講演や本を書く話が舞い込んで、僕の話しを聴きたいと、全国から声がかかるほどになりました。
ここまで辿り着いた自分を、自分の努力で得たものとは僕には思えません。
神様が僕を試すために、試練を与えてくださって、いくつかの及第点を取ったので、今の役割を与えられたように思えてなりません。