就職活動をしている人の相談事の話しを聞いたことがあります。
リストラにあってから、自分に合った仕事は何なのか分からなくなって悩んでいるといいます。
「どんな仕事を選べばいいのでしょう」と言い続けて、二年間が経っています。
この方は、講演会の後の食事会に出席されました。
その会には、二十人の会社の社長さんもいらっしゃいました。
もし彼が笑顔で挨拶して、面白い会話でもして、今自分は就職活動をしているということを打ち明ければ、何人かの社長さんが興味を持ってくれたかもしれません。
しかし彼は、全然自分から話しかけもせず、ずっと無表情のまま、ただ座っているだけで、笑いもしません。
そして食事会が終わって帰る道すがら、講演者に「仕事をどうしたらいいでしょう?」という相談をなさったのです。
講演者の方は言いました。
「それはそうでしょう。私が社長だったらあなたを採用しません」
さらに言いました。
「今あなたがやるべきことは、目の前にいる人を大事にすること。そして、やるべきことがあれば、それを一生懸命やることです。暗い顔をして、就職をどうしようと頭で考えているうちは何も起こりません。仕事を自分で選ぶ必要はありません。目の前に来たやるべきことを一生懸命にやればいいのです。ただ、それだけです」