病気の正体が判明

パニック障害、僕はこうして脱出した 円広志

セミの抜け殻だったはずの自分に、病気を忘れている瞬間があることを発見した。
その一瞬が、絶望の淵にいる僕をほんの少しだけ救ってくれた。
と同時に、治る可能性があることを確信した。
得体のしれない、この不安の正体はいったい何なのか・・。
僕はその答えを見つけ出すために、ようやく病院周りを開始した。
何と言っても、大の病院嫌い。
最初、僕はスタッフの勧めに「絶対病院で待つのはいやや」と駄々をこねた。

何件も病院を回って、闇夜に一条の光を見つけたのは、知人が「めまい科というのがあるから受診してみては」と言ってくれたからだ。
荻野医師との出会いが、僕を絶望の淵から救い上げてくれた。
「あなたの病気は三半規管からくる場合と神経的なものからくる場合と両方あります。まず三半規管から調べてみましょう。
が三半規管には異常が認められなかった。
残るのは不安神経症です。
不安神経症という大きなくくりの中には、実はパニック障害というのがあるんです。
最近増えている神経症の一種です。
あなたのケースは、パニック障害と思われます。

パニック障害ーーやっと、僕の病名が分かったのだ。
耳慣れない病名を聞いて不安にかられるというよりは、安堵感の方が大きかった。