「死に方」は「生き方」 中村仁一
生活習慣病の原因は、体質、素質、老化や身についた悪い生活習慣が複雑に絡みついたものなのです。
ですから感染症と同じように、原因、原因とわめき、目の色を変えて精密検査をしても、実際にはあまり意味のない場合が多いのです。
最近ではハイテク技術を使ったCTやMRIが整備され、わざわざ身体を切り開かなくても、身体の内部が手に取るようにわかり、また穴という穴には、すべての器械を入れて中を調べますので、かなり詳細に実態が把握できるようになりました。
しかし、状況がよく分かっただけでは意味がないのです。
その状況を好転させる治療の手立てがあるかないかが重要なのです。
また、専門医といえば、なんでも治せる治療の専門医という響きがあります。
ですが、生活習慣病にはもともと完治がないわけですから、完治させる専門医はいないのです。