生きるということ

原子は物質を構成する最小の微粒子です。私たちの身体は、無数の原子が集まって構成されています。
原子は瞬間瞬間に飛び回っていますから、今私たちの一部には、ついさっき見た近所の犬や猫の中にあった原子が使われているかもしれません。

原子は生き物ではありませんから、死にもしなければ増えもしません。
原子は、宇宙が誕生した137億年前から変わらず宇宙を飛び回っています。
そして私たちは、生きている間だけ、原子という部品を使って身体を構成しています。
当然死ねば、原子はバラバラになって飛び散り、次の生命の素になっていきます。

自分が「死ぬ」ということについて、普段あまり深く考えることはありません。
また、どうしても死を認められない人もいます。
あえて死から目を背けようとする傾向もあります。

死に直面すれば、お金や権力や名誉などは全く役に立ちません。
「死ぬときに苦しまずに安らかに死にたい」これは誰しもが願うことかもしれません。

この願いを妨げるものには3つあります。
1 死を受け入れられない気持ちが強すぎる
2 後悔することがある
3 身体の苦痛緩和、心のケアが十分でない

死を忌み嫌うことなく「死を意識する」ことによって、ほんとうの「生きる素晴らしさ」を知ることになるのだと思います。
 その結果、1日1日を大切に生きようと思うのでしょう。