ココロの架け橋 中野敏治
中学校の教員に赴任して約30年、ある中学校で校長をさせていただいております。
私が赴任したいくつかの中学校は、当時いわば、「スクールウォーズ」の状態でした。
窓ガラスは割られ、たばこの吸い殻があちらこちらで見つかり、深夜の夜回りで徘徊する子どもたちを何人指導してきたことかわかりません。
同僚の教師は、どう子どもに声を掛けたらよいのか、子どもに指導がいる言葉がけはないのか、夜も寝られずにいました。
しかし、私は教師として何かを変えたかった、あきらめたくなかったのです。
休み時間に生徒と雑談をして本音を聞き出し、箒を振り上げた生徒とは真正面からココロでぶつかり合いました。
寝坊癖がひどい生徒には、家に朝起こしに行き、不登校で部屋から出てこられない生徒には、ドア越しで語りかけました。
忙しいと、なかなか学校に来られない親御さんには家庭に伺い、生徒と親御さんと3人でじっくり話し合いました。
深夜の夜回りでは、私の教え子、そして見知らぬ子どもたちまで含めた暴走族まがいのバイク集団に対し、その爆音に負けないくらい大声で指導して、その後缶コーヒーで乾杯したり・・今思い起こせば本当に大変な日々でした。