人は死ぬから幸福になれる 島田裕巳
永遠に続く人生は途方もないものです。
夫婦の関係だって、永遠に続きます。
親子関係も同じです。
しかも、その下には子どもが次々と生まれていきます。
親戚だって膨大になっていきます。
地球上には人が溢れ、生活する場所もなくなっていきます。
食料も乏しくなります。
絶えず飢えているのに、体だけは死ねないで生きている。
むしろこれは、生き地獄ではないでしょうか。
いつか終わりがあるから、私たちはそこまでがんばれるのです。
限りある人生だからこそ、それが貴重なものになるのです。
かけがえのない人生だから、喜びを見出すことができ、幸福を感じられるのです。
つまり「人は死ぬから幸福になれる」のです。