楽観的な人ほど将来が開けていく

辛い気持ちが消えていく 斎藤茂太

何かと悲観的に考えてしまう、自分がもどかしい人であると思う。
彼らの多くは、自分がどうして暗い気持ちになったかを知っている。
「できのいいお兄さんと比べられ、卑屈になった」
「細かなことでも厳しいことを言ってくる父親に育てられ、何をやるときも、ビクビクしてしまう性格になった」
「両親が毎日、怒鳴り合いのケンカをして、そのとばっちりを受け、言いたいことが何も言えなくなった」
「なんでもかんでも自分で決め、することのすべてに干渉する母親に育てられ、自分で物事が考えられなくなった」

人には様々な過去があり、記憶がある。
幼少時代にインプットされたことがトラウマとなって、心を蝕んでしまうことも少なくない。
しかし、つらさが残る人の中には自分の心がけ1つで、解決がつくケースも多い。
一番大切なことは、自分の性格を境遇の所為にしないことだ。
確かにそうなのかもしれないが、何かあるたびに母親、父親を憎んでも何も変わらないし、いやな記憶を思い出し、一段とつらい気持ちになるだけだろう。
「嫌だなあ、また悲観的になってきた・・・」こう思ったら、自分の暗示をかけてみよう。
「でもまあ、ちょっとずつ楽観的になってるよね、私も・・」
とりあえず、ベクトルさえ間違えなければ逆戻りはしない。
あとは、少しずつ、じわじわとである。