本当のものが見えるようになっていくのは苦境のとき

下座に生きる 神渡良平

どうもがいてもだめなときがある
手を合わせるしか方法がないときがある

これは相田みつをさんの詩です。

自分の目が開かれ、本当のものが見えるようになっていくのは、「苦境のとき」なんです。
そう考えていくと、世の中には怖いことも不都合なこともないことになります。
私たちの身の上に起こることは、「全部必要で必然」なことなんです。
そのことを掴んだ人間はもう動じなくなります。

松山に坂村真民さんという方がいます。
「僕の人生で2つのことを残せればいい。それを掴むためにこの世に生まれてきたのだ」と仰います。

その1つが「念ずれば花開く」ということ。
念じ続け、実現にひたすら努力していけば、それが具体的で現実的なものになっていく。
問題は途中で腰砕けになることなく、努力しつづけること。
念じたことは必ず実現する、このことを掴むために、さまざまなことを経験させられてきたと仰います。

もう1つは、「大宇宙、大和楽」ということです。
和合し、楽しみ、感謝しあい、拝みあうことです。
眉間にしわを寄せて、苦しみ悩むことは天の願いではない。
みんな自己実現して喜び合い、感謝しあうことなんです。
妻に対して、子どもに対して、近所の人に対して、知人に対して、感謝の生活をすること以外にありません。
それが大和楽の世界なんです。