明日この世を去るとしても今日の花に水をあげなさい 樋野興夫
もし、明日死んでしまうとしたら、あなたは何をしますか?
どうせ明日までの命と刹那的な気持ちになって、好きなもの好きなだけ食べたり、好きなことを思う存分やったりと享楽におぼれますか。
部屋に閉じこもり、恐怖におびえ、我が身の運命を嘆き哀しみますか。
それともひたすら天に祈って過ごしますか。
私は「花に水をあげなさい」とお伝えしています。
そこには「1人に与えられた義務を果たす」という意味もありますが、もっと大事なメッセージが込められています。
そうそれは、自分以外のものに関心を持つことです。
役割や使命は、自分のことばかり考えているうちはなかなか見つかりません。
むしろ自分以外のものに関心を持つと、自分のすることが見えてきます。
内村鑑三は「後世に遺すべきものは、お金、事業、思想もあるが、多くの者がその才能を持ち合わせていない。だからといって、子孫に何も残せないかというと決してそんなことはない。誰にでも遺せる最大の遺物がある。それが勇ましい高尚なる生涯だ。善のために戦う真面目な生涯そのものが、最も尊く価値のあるものなのだ」
「私が私が」という人生よりも、自分以外のものに死ぬまで関心を持って生きる。
それこそが内村の言う「高尚なる生涯」ではないでしょうか。