「死に方」は「生き方」 中村仁一
健康診査や人間ドックの合言葉は、「早期発見、早期治療」です。
一般にこの言葉から受ける印象は、あたかも早く見つけて治療を行えば、どんな病気でも駆逐できる、完治させることができるといった響きがあります。
ですが、これは肺結核などの感染症で成功を収めた手法で、生活習慣病には適用しないのです。
なぜなら、感染症には完治の手立てがあるのですが、生活習慣病には残念ながらないからです。
繰り返しになりますが、生活習慣病は早く見つけたからといって、完治、根治はありません。
ですから、早期治療と騒いで早めに治療をすれば、病気と縁が切れてしまう、治ってしまうかのような錯覚や誤解を与える言い方はよくありません。
生活習慣病に対しては、「早期発見、早期監理」か「早期発見、長期治療」というべきではないかと思います。
原則的には、死ぬまで病気と付き合うわけですから「早期発見、長期治療」ということになります。