ココロの架け橋 中野敏治
そして閉会式です。
すべての競技が終わり、感動した実行委員の生徒が泣き出してしまい、アナウンスができなくなっていました。
閉会の言葉を言う生徒も朝礼台の上で泣き出してしまいました。
そのときです。生徒の列から数人の生徒が朝礼台の前に出てきたのです。
そして、泣きながら大きな声で話し始めました。
「今日の体育祭ができたのは、先生方、保護者の皆さん、地域の方々のおかげです。ありがとうございました」
生徒たちは、泣いていて声にならない状態でした。
会場にいた先生方、保護者の方、地域の方も目を真っ赤にしていました。
卒業アルバム用に撮影に来ていたカメラマンの目も真っ赤でした。
閉会式後、全校生徒はその場に座りました。
生徒の前に教師が1人立ちました。
しばらく沈黙の時間が過ぎました。
その教師も目が真っ赤で、涙をこらえ、声が出なかったのです。
しばらくして、ゆっくりと生徒に向かって話しを始めました。
「私たちは、みんながいなければ仕事ができないんだ。みんな、ありがとう。2年生、来年はみんなの番だ。がんばれるか?!」と声をかけると、2年生から大きな声で「はい!」と返事が返ってきたのです。
こんな感動的な体育祭、日本中探してもないと思います。
素晴らしい生徒たち、素晴らしい先生方、日本一素晴らしい体育祭をつくってくれてありがとう。