「辛いときはどうすればいいのですか? そういう時でも感謝しなくてはいけないのですか?」という質問を聞いたことがあります。
まったく、その通りだと思います。
でも感謝の心は、自分が「困難なとき」でもおろそかにしません。
つまり、日頃から感謝の習慣を身につけていくだけで、心は鍛えられていきます。
プレッシャーで何もできず、ストレスや不安で頭がいっぱいになると、些細なことに気づかなくなります。
でも日頃から小さなことに注意を払っていれば、小さなよき種を蒔いておくことはできます。
親切な人間になるのに、生き方を変える必要はありません。
ほんとうに小さな親切を「積み重ねる」ことが大事なのです。
ふだん私たちが行っていることです。
誰でも日常のヒーローなのです。
たとえば、あなたのお父さんやお母さんはどうでしょうか。
私たちが生を受けて以来、父母はいつでも親切ではなかったでしょうか。
一度、あなたの父や母に「最後に親切にしたのはいつ?」と聞いてみてください。
あなたの父や母は、「さあ?」と言って思い出せないかもしれません。
でも、あなたの目の前に並んでいるごちそうは誰が作ったのですか。
あなたが悩んでいた時に、真剣に話しを聞いてくれたのは誰だったでしょうか。
日常のヒーローというものは、「親切とはごく自然なこと」なので、自分が親切だとは思っていないのです。
親切をすると脳内で抗うつ剤の作用と同じ「セロトニン」を生成します。
親切は脳内のネットワーク環境を変化させて、幸福感を組み込んだ回路を作っていきます。
「思いやり」も親切の一種であり、幸福感を高めてくれます。