救いが見えるまでしばらく待とう

勇気をもって生きる 日野原重明

私たちの生涯の中には、予測もしないことが突発的に起こることがあります。
私たちは問題にぶつかり、何かの行動を選ばなくてはならないときがあります。
たとえば山で遭難して、日が暮れて、吹雪になる。
そのときに、いい加減な道を下りないで吹雪がやむのを待つという忍耐心が必要です。

新幹線に乗っても雲がかかって富士山が見えないときがあります。
富士山がどこにあるかを知らない外国人にとっては、富士山はないことになります。
でも、風が吹いて雲が飛んでいけば、富士山は見えます。
その時はただ見えないだけで、富士山は厳然としてそこにあるのです。

私たちは、いろいろなことにぶつかって救いの道を求める時に、「救いはないんだ?・・」と思うのではなく、「まだ見えないのだからしばらく待とう!」と考えるべきだと思います。
待ち、耐えることによって私たちは人間として成長するのです。