人は死ぬときに何を後悔するのかより
ホスピスで私たちが心を痛めるのは、高度進行がんやがん再発で余命が長くない貴重な時間を、効果のない抗がん剤治療で過ごして、心身共にずたずたになってからホスピスを紹介され、入院後まもなく亡くなる人が多いことです。
日本は、どんな種類のどんな進行がんに対しても、あきらめずに最善を尽くすという大義名分で、抗がん剤治療の専門でない医師が抗がん剤治療をやり過ぎる傾向が強く、抗がん剤強国といった感がしてしかたがありません。
抗がん剤治療を受けて延命効果がなければ、治療が無駄だっただけではすまされないのです。
患者さんは、残り少ない貴重な時間を副作用に苦しみながら過ごし、命を縮めることも多いのです。