抗がん剤治療のやりすぎに反対

私はガンで死にたい 小野寺時夫

手術同様、私は抗がん剤治療のやりすぎにも大反対です。
私が高齢になったからではなく、がん患者さんを診療するようになった40代後半からの変わらない考えです。
抗がん剤が有効な白血病など4種類以外は、「全く効果がない」とはいいませんが、副作用が強いわりには延命効果がある率が非常に低いからです。

高度進行がんには抗がん剤治療を行うのが常識のようになっており、日本はガン患者当たりの抗がん剤使用量が世界で最も多い国です。
ところが、亡くなった慶応義塾大学医学部放射線科の近藤誠先生のように、抗がん剤には延命効果がなく、むしろ病状によっては副作用で命を縮める危険のあることを指摘する医師もいます。

急性白血病、悪性リンパ腫、絨毛ガン、睾丸のがんには、抗がん剤が70~80%に有効で、治癒するケースもあり、国際的に標準治療になっています。
しかし、これらのがんでも、20~30%の人には効果が十分でなく、特に高齢になるほど副作用が強く、効く率は低くなります。