近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか? 近藤誠
手術に関しては、日本は突出して「手術大国」です。
欧米では放射線治療が当たり前のがんに、日本では手術が当たり前に行われています。
手術の方法も、欧米では治療成績が同じなら、できるだけ小さく切るようになっていますが、日本ではそうなっていないのが実情です。
なぜ日本では手術が主流かというと、戦前の日本は貧しく、高価な放射線治療装置を買えなかったために導入が遅れたのです。
また、医者も患者さんも、手術と放射線のどちらも選べる場合は、手術の方が確実だと思っているという事情もあります。
ここまで読んで来られた方は、「医者なんて信じられない、いったいどうすればいいの?」という気持ちになったのではないでしょうか。
無理はないと思いますが、みんながみんなひどい医者というわけではありません。
要は「この人はだめだ」という医者を見分けられればいいのです。
まず、挨拶をしない、患者さんの顔をみない、これはダメ。
診察の間中、ずっとパソコンの画面を見たままで、質問しても振り向きもしないし、ろくに答えてくれなかった、こういう医者は多いんです。
患者さんの体に触らないという医者もいます。
ひどい医者になると、乳がんでさえ触りません。
乳がんはちょっと触れば、しこりがあるからすぐわかります。
それなのに、全然触らない医者が増えています。
マンモグラフィー、超短波、MRIにCTと、画像をいろいろ揃えて、それで満足してしまうのです。