お金の賢い減らし方 大江英樹
人間は「死」を意識した時に、人生で本当に大切なものは何だったのかということに気がつくのだそうです。
「死ぬ瞬間の5つの後悔」という本があります。
この本には、死を前にしたとき、人は何を想い、人生において何を後悔するのかが書かれているのですが、その多くは「自分のやりたいことをもっとやっておけばよかった」「もっと人とのつながりを大切にしておけばよかった」ということです。
人生の終盤が近づくにつれて、人生で最後に残る大切なものは何だろう、と考えるようになりました。
そして前述の本を読んでみて、一番大切なのは「思い出」ではないだろうか、と自分なりに考えています。
人生の充実感を高めるのは、その時々の体験であり、それにまつわる思い出ではないのかと。
だとすれば、もっと思い出を得るためにお金を使うべきではないのでしょうか。
自分のやりたいことにお金を使う、人とのつながりのためにもっとお金を使う、そうしたことの方が、お金を増やすことよりもはるかに大切なことだと思います。
人はいつ死ぬか誰にも分かりませんし、いずれ必ずその時はやってくるのです。
であるならば、これからの人生を「死」から逆算して考えてみてもいいのではないでしょうか。
これまでは、ただお金を増やすことに一生懸命だった人生かもしれませんが、ここからはどうお金を使うことで人生を幸せにできるかを考えていくべきなのかもしれません。