お金の賢い減らし方 大江英樹
お金を使って減らす楽しみの2つめは、「思い出にお金を使う」ことです。
人生でしなければならない一番大切な仕事は、思い出を積み重ねることです。
最後に残るのは、結局「思い出」だけなのですから。
死ぬ間際になって、どれだけお金があったとしても、それは意味のないことです。
それよりも家族や友人と一緒に過ごした思い出こそが、人生の最後に旅立つ時に、本当に幸せ感をもたらしてくれるものではないでしょうか。
自分の周りにモノがあふれる時代になってきたからこそ、モノよりも体験を求める人が増えてくるというのは自然なことです。
モノを手に入れた喜びというのは、あまり長期間にわたって持続することがありません。
ブランド物のバッグを手に入れたときはとてもうれしいのですが、数年も経てばその辺の他のバッグと大して変わらなく感じるということはよくあることです。
ところが体験は、いつまで経ってもなかなか忘れることはありません。
人生の節目において体験してきたことのみならず、日常生活におけるちょっとした体験でさえも、忘れることのできない思い出になっていることはよくあるのです。