人生を楽しむ 小林正観
幸せという名の現象がどこにあるのか、ずっと追い求めてきました。
何かを手に入れたら幸せになるということではなく、世の中に幸せという名の現象がどこにも存在していません。
目の前にバラの花やコップの水があれば、誰でもその名前を認識するでしょう。
でも、100人が100人とも「これが幸せ」という現象や事物、出来事を持って来ることはできません。
幸せという現象が存在していないのに、なぜ「幸せ」という言葉があるのでしょうか?。
考えに考えた結果、意外な結論になりました。
「私がこれを幸せだ」と思った瞬間に、その人にとってのみ幸せな現象になるということに。
それなのになぜ私たちは、幸せというものを感じにくくなったのでしょうか。
それは、私たちは学校教育の中で、比べあうことしか教わらなかったからです。
自分の方が上にいて、他の人より抜きんでることが幸せと思わされてきたからです。
人よりもたくさんのお金をもらい、大きな家に住み、いい車に乗って・・という風に思い込まされてきました。
競い合うこと、比べあうこと、争うこと、という価値観が自分の中から取り払われたときに初めて、幸せは手に入ります。
幸せという名の現象が存在するのは、「私」が感じたときだけなのです。