希望と現実のギャップから苦しみが・・・

今日が人生最後の日だと思って生きなさい 小澤竹俊

苦しみが希望と現実のギャップから生まれることを意識するようになってから、私は、患者さんの何気ない言葉や態度に苦しみのメッセージがたくさん含まれていることに気づくようになりました。
たとえば、「スーパーに買い物に行きたいなあ」という言葉には、「自分1人では近所のスーパーにすら行けなくなってしまった」という苦しみが込められています。
また「来年の桜も見たかったなあ」という言葉には、「残された時間はわずかである」という苦しみが込められています。

そしてこれは、健康に生きている人の苦しみにもあてはまります。
一生懸命に勉強に励んでいるのに、成果が上がらないときに感じる苦しみ。
誰かに好きになってほしいのに、振り向いてもらえないときに感じる苦しみ。
もっと豊かな生活がしたいのに、それが叶えられない苦しみなどです。

苦しみの形はさまざまですが、それらの多くは自分がこうありたいと思う自分と、実際の自分とのギャップ、他人から思われたい自分と実際に他人が思う自分とのギャップから生まれているはずです。

苦しみが希望と現実のギャップから生まれることを意識すると、何気ない日常生活の中に、苦しみが潜んでいることに気がつくかもしれません。