寿命を決める要因とは

寿命が尽きる2年前 久坂部羊

生物の寿命を決める要因については、いろいろな説があります。
よく言われるのが「テロメア説」
テロメアとは、染色体の端っこにある特殊なDNA配列で、細胞分裂の度に短くなり、テロメアがある程度以上短くなると、細胞は分裂できなくなります。
その時点で、生物は寿命を迎えるというわけです。
よって、テロメアが長い生物ほど寿命が長いということになります。
であれば、テロメアを長くする方法を見つければ、寿命も延ばせることになりますが、残念ながらその方法は見つかっていません。

健康寿命の概念は重要ですが、その算出の基礎となるデータは、かなりいい加減と言わざるを得ません。
どう決めているかというと、厚労省が3年ごとに行う「国民生活基礎調査」で、「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか?」という質問に、「ない」と答えた人を「健康」、「ある」と答えた方を「不健康」とする主目標と、「あなたの現在の健康状態はいかがですか?」という質問に対して「よい」「まあよい」「ふつう」と答えた人を「健康」、「あまりよくない」「よくない」と答えた人を「不健康」とする副指標をもとに、サリバン法という平均寿命を算出するときに使う方法で算出しているのです。
つまりは、自己申告。
主観、見栄、勘違い込みのデータというわけです。