寿命が尽きる2年前の心づもり

寿命が尽きる2年前 久坂部羊

同じく、してはいけないことに症状もないのに受ける健康診断、がん検診、人間ドックがあります。
症状があっても病院に行くなと言っているのですから、当然ですね。
検査をして、異常がないことを確かめたいという気持ちもわかりますが、少し理性で考えてみてください。
異常がないのなら検査を受ける必要もないし、異常があっても見つからないこともあるし、異常が見つかって病院に行けば、精神衛生上、最劣悪の環境に放り込まれるのですから、百害あって一利なしです。

ほかにもまだ、しなくてもいいことがたくさんあります。
まずは節制。
あと2年で寿命が尽きるのですから、長生きのための節制は意味がありません。
酒もたばこも、辛いものも脂っこいものも、おいしいもの、身体に悪いものもすべて解禁。
暴飲暴食も、自分がつらくなければOKです。
睡眠不足も問題なし。
寝られないのなら起きていればいいのです。
だいたい、不眠症の人は、眠りたい、寝なければいけないと思うから眠れないのです。
寝なくてもいい思えば自然に眠れるでしょう。

貯金や節約も必要ありません。
体操やらアンチエイジングも無意味ですし、サプリメントを飲むことも、健康情報をあさることも必要なくなります。
検診の数値に悩まされることもなく、ありのままの自分でいられます。

こうやって考えると、長生きや健康維持のためにすることは、結構苦しいことが多いとお気づきでしょう。
もう少し心配する気持ちを緩めてもいいのではないでしょうか。
それができれば、寿命が尽きる2年前を、晴れ晴れとした気持ちで過ごせるはずです。