寄付は自己満足ですが、それが・・・

お金の賢い減らし方 大江英樹

俳優の杉良太郎さんは、昔から寄付やボランティアを積極的に行っていることで有名ですが、メディアから「杉さんの行為は売名行為だと言われていますが・・・」と聞かれ、「ええ、偽善だし、売名ですよ。あなたも売名やりゃあいいじゃないですか」と返したといいます。
これは実に痛快な話です。

私も少なくとも自分でできる範囲内のことはしようと思いますし、それは「自己満足ではありませんか?」と聞かれたら、私も「はい、もちろん自己満足ですよ。それのどこが悪いんですか?」と言い返すと思います。

一般的に寄付をするという行為は「利他の行為」と言われますが、私は「利己的な行為」であると思っています。
それは、寄付をするという行為自体に「よいことをした」「人のために役に立った」という思いが込められ、自身の満足感や幸福感が非常に高くなるからです。
だからこそ、「自己満足じゃないか?」と聞かれたら、「はい、自己満足ですが、それが何か?」と言えるのです。

また「寄付をしても、そのお金がどこへ行くのかわからないからしない」と言う人もいます。
でも少なくても国や市町村、公共団体やNPO法人であれば、そんな心配はないと思います。
「いや、そういうことではなくて、本当に被災者とか被害者に自分のお金が回らず、スタッフの給料に回っているのではないか?」と言う人もいるでしょう。
でもそれはそれで結構なことではないかと思うのです。
どんな団体でも運営していくためには経費がかかります。
その経費は、多くの人から集めた寄付から出さざるを得ないのです。
ですから、そういう人の給料とか事務所の家賃に自分の寄付が使われるのだって、立派に間接的な支援をしていることになるのです。