お金の賢い減らし方 大江英樹
私自身、60歳で定年退職をした時には貯金はほとんどありませんでした。
老後は2,000万円足りないと話題になりましたが、私は2,000万円どころか150万円しか持っていませんでした。
でも、それについては全く不安に思っていませんでした。
理由の1つは、定年の時点で将来にわたる収支を自分なりにきちんと把握していたこと、そしてもう1つ、お金を増やすことはそれほど難しくないと思っていたからです。
年収が300万円くらいでも、金融資産を2,000万円ぐらい持っている人はざらですし、逆に年収1,000万円でも、ほとんど貯金を持っていないという人もいます。
したがって、年収を増やすこと以上に大切なのは、収支をコントロールすることなのです。
私は以前、いろいろな人に取材をしましたが、金融資産1億円以上持っている人の中に、年収数千万円というような人はほとんどいませんでした。
つまり、高所得の人が、必ずしもお金を増やして資産家になっているわけではないのです。