「死に方」は「生き方」 中村仁一
子どもと同居していれば幸せというほど、単純なものではないようです。
それどころか、家族と同居している者のほうが自殺率が高く、孤独感も強いと言われるぐらいです。
たしかに交流のない同居別居では、なまじ一緒に住んでいるためその寂しさはひとしおと想像できます。
そのため、時にはかまってほしくなり、「ここが痛い、あそこが痛い」と気を引いてみることになります。
ところがうるさがられて、これがかえって裏目に出てしまい「そんなに具合が悪いのなら入院したら」ということになってしまうのです。
そして、その結果、面会に行って愚痴を聞かされてはたまらないと、見舞いにも来なくなり、物理的にも精神的にも増々疎遠になってしまいます。
ですから高齢になる前に将来に備えて、家族のあるなしにかかわらず、孤独に耐えられる訓練、独居に耐えられる生き方を身につけておくべきではないかと思います。