子どもが心を開いたとき

ココロの架け橋 中野敏治

「うるせ~」「かんけーねーだろう」という教師の注意を無視する、生徒の怒鳴り声が校舎に響きました。
そんな中学校の生活を何度か経験してきました。
幾度か彼と話しをする中で、彼は興奮することも少なくなってきました。
今まで、それぞれの学年での勉強を身につけてこなかった彼にとっては、授業中、教室にいるのがつらいのです。
分からない授業を1日聞いていることができないのです。

中学3年生になっても、相変わらず、教師の注意に対して「うるせー」「かんけーねーだろう」と決まり文句の言葉を返してきました。
私は彼と話しをするときは、彼の手を握りながら話すようになっていました。
そうすることで、彼はやや落ち着いて、話しを聞けるようになってきました。

彼は野球部に所属していました。
部活動だけは彼なりに一生懸命に頑張っていました。
春の大会では、彼のホームランで逆転勝ちをしました。
夏の最後の大会では、強豪チームと対戦し、コールド負けをしてしまいました。
彼はグランドでふてくされた態度をとりました。
その彼の態度に気づいたチームメートは、すぐに彼のところにいき、その姿勢をやめさせました。