
お金の賢い減らし方 大江英樹
お金に対する屈折した心理をたどっていくと、どうも底流に流れているのは「嫉妬の論理」ではないかと思います。
お金に対する人々の気持ちや行動を考えると、やはり日本人には独特の「嫉妬の論理」が働いているのではないかと思われる節があります。
昔から日本には、他人の成功をうらやんだり、妬んだりする傾向があるのは事実でしょう。
そしてその嫉妬の論理が、お金に対する歪んだ見方や考え方につながっているような気がします。
勤め人でお金持ちになるには、親からの莫大な遺産を相続するか、自分で投資をすることで資産形成を果たすか、多くの場合そのどちらかになります。
仕事で差がつくのであれば、ある程度あきらめがつくのかもしれません。
仲間と一杯飲みながらぼやいていれば気分も少しは晴れるでしょう。
ところが投資で儲かったとか、副業で利益を上げたという話を聞くと、そういう人に対して「うまくやりやがって」とか「仕事をまじめにしないで他で儲けるなんてけしからん」と言う人が必ず出てきます。
日本人はお金持ちに対して、あまり素直な気持ちにはなれない傾向が強いようです。
アメリカであればお金持ちは尊敬されますが、日本人の場合、お金持ちは妬まれることが多いようです。
もっと言えば「何か悪いことをしているのだろう」と勘繰られることすらあります。