上京物語 喜多川泰
親は誰だって子どもに幸せになって欲しいと考えています。
そして失敗しないことが、成功への近道だと思っています。
でも、実はそうではありません。
成功するというのは、数多く失敗しているということでしかないからです。
つまり、誰よりも多くの成功を手にした人は、誰よりもたくさん挑戦した人でしかありません。
小さい子どもは、挑戦に満ちています。
うまくいかないとは考えずに、何でも自分でやりたがります。
たとえばコップに飲み物を入れたり、それを運んだりしたがります。
でも親は、それをやらせたくはありません。
こぼすと面倒だからです。
しかも間違いなく子どもは、こぼします。
そして親は「余計なことはするな!」と怒ります。
こんなことを続けていくと、どうなるでしょうか。
子どもは挑戦する勇気をなくすのです。
何か新しいことに挑戦すると、まずは失敗します。
失敗すると大人に怒られたり、責められたりします。
そうなると、怒られないようにするための手段はひとつになります。
それは新しいことに挑戦すること、そのものをやめることです。