大自然の摂理

私はがんで死にたい 小野寺時夫

長生きすると思った人が早々に亡くなったり、その反対のことがあるなど、がんでは予想が外れる場合の少なくないことをしばしば経験しており、がんにはまだ分からないことが 一杯あります。
超能力を持つがん細胞が、誤って発生したとは私には考えられません。
人間があまり長生きできないように仕組まれている大自然の摂理によると考えるのが妥当だと思います。
そういう意味では、がん治療は自然の摂理に抗っていることであり、高度進行がんを直すなどは、台風や地震などの天災を避けるのに似ているとも思えます。
がん専門医自身やその家族が高度進行がんや再発と分かると、積極的な治療を受けない人が多いのは、無理に治療しても効果がなく苦しみが多いことをよく知っているからです。

がんに関する疑問
1 がんの発生に関するのは、遺伝因子は2~3割、喫煙や飲酒、食習慣、特殊なウイルスなどの生活環境因子が7~8割と見られています。
2 ストレスの多い生活をするとがんになりやすい、こう考えている人が意外に多いのですが、これを証明する証拠はありません。禁煙の研究によると、世界的に関係がないとする否定的な見解がほとんどです。
3 がんに負けないとは、最期まで諦めずに治療を受けることであるという考え方があります。でも、高度進行がんを直す方法がなく、諦めずに治療にこだわるほど苦痛が増し、悲惨な最期となる可能性が高くなります。高度進行がんは痛みなどの苦痛があれば、それを緩和するだけの方が自然な経過で安らかに死ねる場合が多いのです。