近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか? 近藤誠
「余命3か月です」と言ってみたり、「放っておくと取り返しのつかないことになる」と言ってみたりして、患者さんを不安にさせて、自分のやりたい方向に誘導しようとする医者がいます。
これはダメです。
こういう医者は、患者さんが自分の思い通りにならないと「この治療を受けないなら、ほかの病院に行ってください」などと言って、患者さんを放り出します。
「ノー!」と言ったら怒られそうだとか、「嫌われたらこの先の治療に差し障るから、言うとおりにしておくべきかな?」などと思わず、嫌なものは嫌と言いましょう。
それで怒るような医者なら、やめればいのです。
これは逆説的な注意点ですが、本来ならば薬の副作用や手術の後遺症、生存率などをきちんと説明するのが当たり前です。
説明しない医者はダメです。
ところが最近は、ありったけ説明しようとする医者が多いのです。
何かあったときの責任逃れのためでしょう。
手術や抗がん剤治療をするとなると、いっぱいいろいろなことが書かれている紙を渡されて、サインさせられます。
これを読んだうえ同意してでサインしたのだから、事故が起きても自己責任というわけです。