人生を楽しむ 小林正観
今から2500年前、お釈迦様が瞑想をしている処へ1人の弟子がやってきました。
「お師匠様、お聞きしたいことがあるのですがよろしいでしょうか」
「聞きたいことがあったら何でも聞いてよい」というので、弟子は聞きました。
「私の前世は何者だったのでしょう?」
するとお釈迦様はこう答えたと言います。
「そんなことは考えなくていい。今日、ただ今、この刹那を大事にしていきなさい」
その弟子はじっと考えて、次にこう言いました。
「お釈迦様、私の来世はどんなものでしょうか?」
お釈迦様は穏やかなほほ笑みでこう言いました。
「そんなことは考えなくてもよい。今日、ただ今、この刹那を大事にして生きなさい」
刹那とは、仏教用語で時間の最小単位を意味します。
一説によると、1刹那のことを75分の1秒だと考えるようです。
刹那主義とは、過去のことを悔やむ必要がない、未来のことも心配する必要がない。
ただ、今この一瞬1舜、つまり刹那を大事にして生きることのみ、それだけを大事にして生きることなのだということです。