人のためにという「利他の心」は何も特別なことではなく、遺伝子が定めている人間の生まれつきの特質だそうです。
仮に損得勘定でやっても、人のためにやったことが巡り巡って、やがて自分のためになるのは珍しいことではないと言います。
自分のためにしか行動しない人は結局、可能性を自分で限定してしまうので、得るものは小さくなってしまいます。
その点、自分のためよりも人のためを優先する人は、遠回りはしますが、可能性を確実に広げることができますので、得るものも大きくなるのです。
生物はなぜ死ななければならないのでしょうか。
おそらく、次の世代を生かすためでしょう。
もし、あらゆる生物が不死だったら、この世は種や集団のバランスが崩れて、殺し合いが起こるでしょう。
もっとも、あらゆる物の元になる原子そのものが足りなくなって、次の世代をつくることができなくなってしまうかもしれません。
生物は死ぬことによって、次の生物に席を譲るのです。
そのことは、自分の体の中を見ても明らかです。
私たちの身体の中では、心身代謝が絶え間なく起こっています。
何億個という細胞が毎日死に、同数の細胞が生まれてきます。
その死と生の入れ替わりによって、私たちの命は成立しているのです。