初発不明がん

近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか? 近藤誠

実際には転移だけがあって、初発病巣がないことがあります。
それが、初発不明がんです。
初発病巣が見つからないのは、がんが発生してすぐに転移し、転移病巣は成長したけれど、初発病巣は何らかの理由で成長しなかったということです。
がんには最初から転移能力があるからこそ、転移だけが残って初発がないというケースがあるのです。

がん治療ワールドの医者たちは、がんを放置するとだんだん性質が悪くなって、やがて転移するようになると言います。
しかし、その理論では、初発不明がんの説明がつきません。
性質が悪くなってからでないと転移しないならば、転移する能力を持つ頃には、初発病巣もある程度大きくなっているはずだからです。