健康が失われないうちにお金を使う

お金の賢い減らし方 大江英樹

いくらお金を持っていても、健康でなければ決して幸せではないというのは、誰もが異口同音に言うことです。
でも年をとるにしたがって、どこかしら身体の不具合は出てきます。
つまり年齢とともに、やりたいと思っていることができなくなる可能性があるということです。
シュノーケリングに挑戦したいと思い、ツアーに問い合わせしたところ、65歳以上は参加できないとのことです。
このように自分は健康体であっても、年齢とともに許可されないことも出てきます。

若いころはお金がなく、仕事が大変で旅行に行けませんでした。
ところが定年になり、時間がたっぷりあるのに健康はだんだん不安が高まります。
すなわち旅行に行けなくなる理由が「お金と時間」から「健康上の理由」に変わる可能性があるのです。
だとすれば、行くべき時期にお金を惜しんでいきたいところに行かない、やりたいことをしないというのは、人生において大きな損をしていることになります。

人生の最後で一番大切になるものは、「それまでの思い出」です。
どれだけたくさんの良い思い出に囲まれるかが、晩年の幸福感に大きな影響を与えることでしょう。
健康で様々な体験ができるうちにお金を使って、それをしておくべきなのです。
つまり健康を失わないようにお金を使うのではなく、健康が失われないうちにお金を使うということです。