余命宣告

近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか? 近藤誠

医者がなぜ余命宣告をするかというと、患者さんやその家族が知りたがるから、というのもあると思います。
しかし、最大の理由は、治療がやりやすくなるからだと僕は思います。
「このままだと余命半年ですが、手術すれば大丈夫です!」などと言われれば、「よろしくお願いします!」と言ってしまうのが人情だからです。
余命宣告は、不安を煽って治療に持ち込むためのおどし。
医療は、いわば「不安産業」なのです。

しかも、余命を短く言えば言うほど感謝されるというパラドックスもあります。
余命1年と言って、半年で亡くなってしまったら遺族は怒りますが、3か月と言って半年生きれば感謝されます。
たとえ手術後すぐに亡くなっても、「余命が3か月しかない手遅れ状態だったのだから仕方がない・・」と、あきらめてくれます。
こうなると、余命宣告は医者自身の保身のためと言った方がいいかもしれません。