何が一番重要ですか?

いのちを愛ずる 中村桂子

若い人たちにアンケートを取って、「何が一番重要ですか」と聞いたら、一番最初に挙げられたのは、スマホだったそうです。
ところが、その若い人たちをどこかの島へ連れて行って、自給自足の生活を体験してもらった後に同じ質問をすると、今度は「水」と答えたそうです。
やはり、生き物にとって一番大切なのは水なんですね。

よく、空気、酸素が大事といいますし、確かに私たちは酸素を吸わなければ死んでしまいます。
けれども、たとえば大昔の地球には酸素がなかったのです。
ですから、そのころから生きていたバクテリアのようなものの中には、酸素があると困るものもあるんですよ。
でも、水があったら困るという生き物はありませんし、逆に、水がなければ困ります。
むしろ、水があったから生き物が生まれたと言ったほうがいいと思います。

宇宙の中にはたくさんの星があって、最近では太陽の周りもの星も調べられていますが、今のところ生き物がいるのは地球だけのようです。
おそらく、地球には水があるから、生き物が生まれたのだと思います。