ことばのご馳走 金平敬之助
事業に失敗した人が、悩んで精神科を訪れました。
老精神科医はその患者に、倒産した元経営者の話、老母の世話で婚期を逃した娘の愚痴、不良息子をもつ母親の嘆きを録音したテープを聞かせました。
聞き終わった後で、老精神科医は「気づいたかね」と質問をしました。
「３人の話の中で、何度も同じ言葉が繰り返し出てきただろう。それは ”あのとき、こうすればよかったのに” というものだ。この言葉を使っている限り、人間は不幸な世界から抜け出せない。抜け出すには ”今度こそ！” の言葉に変えることだ。 ”今度こそ” を使えば、苦い経験が逆に人生のよき教訓に変わるんだよ」