お金の賢い減らし方 大江英樹
自分が何歳まで生きるかは誰にもわかりませんから、「死ぬときはゼロにしろ」といってもそんなにうまくはいきません。
ただ仮に、90歳までに持っているお金を全部使ってしまったとしても、公的年金は死ぬまで支給されます。
私の経験上、年を取るほどお金は使わなくなりますから、同じ年金額で支給されるのであれば、たとえ何歳まで長生きしようと生活に困ることはないでしょう。
だから私自身は、自分が持っているお金は、90歳までにほとんど使ってしまってよいと考えています。
もちろん、不測の事態に備えるために、ある程度の現金を持っておくべきだという考え方もあります。
でも、どんな事態になるとどれくらいのお金が必要かは、事前にある程度読めます。
それに、自分のお金でまかなえないような事態に備えるには、保険を使えばよいですから必要以上に過剰なお金を蓄えたり、増やしたりしておく必要はないと思います。
むしろ人生後半に向けて考えるべきことは、「お金を増やす」ことではなく、「お金をどう使うか」ということでしょう。