いい言葉がいい人生をつくる 斎藤茂太
目の前でものを手渡してもらったり、エレベータの開閉ボタンを押して待ってくれたというような些細なことでも、必ずはっきり「ありがとう」を言うようにしよう。
特に上に立つ者ほど、部下への「ありがとう」を忘れないようにした。
最近では、何でもメールですませる人も多いようだ。
私の年代ではやはり、肉筆の令状の方が真意を伝えられると思ってしまうが、そこは時代の感性というもの。
メールでも十分、真意を伝えあう世代もあるだろう。
要は、お礼の気持ちを熱いうちに歌えることだ。
もっとも精神科医の立場から言えば、肉筆とか肉声のように、人の温もりが伝わるコミュニケーション手段の方が、深いものを相手に伝えることは確かである。