パニック障害は薬で治る

パニック障害、僕はこうして脱出した 円広志

結果や勝ち負けにこだわり続けている人たちだって、ずっと勝ち続けることはできない。
必ず、いつか負けることになる。
その人たちも、その時初めて、負けることを考えるのかもしれない。
結果にこだわるのは、お金をたくさんもらっている人が自分の保身で言っているだけ。

ある医師に「生きている限り不安は続く」と言われて、絶望したときがあった。
確かにその当時の僕は「生きている限り、この病気は治らないのだ」と受け止め、大いに落胆したのだ。
しかし、病気が良くなってきた今考えてみると、その医師が言いたかったのは「生きている限り、どんな人も不安を抱えて生きているんだよ」ということだったのかもしれない。

生まれたら、まず死ぬ不安が生まれる。
そして、生活の不安、仕事の不安、家族の不安、もろもろの不安が僕らを取り囲む。
不安は不安のままでいいのだ。
川の流れに身をまかせるように、不安も喜びも抱えながら生きていけばいいではないか。

この病気は、「マンモスの時代にはなかった病気ね」と黒柳徹子さんが仰っていたが、それだけ、現代という時代が人間には生きにくい時代になっている証である。
しかし、現代に生まれてきた僕らは、いまさら太古に遡って生まれ変わることはできない。
となれば、不安をあるがままに受け止め、川の流れのようにサラサラ生きる。
そうやって、ストレスをため込まないように生きたい。

不幸にしてパニック障害にかかってしまったら、まず自分に合った病院と医師を探すことである。
そして、自分に合った薬を見つける。
僕は、パニック障害は薬で治ると信じている。