パニック障害、僕はこうして脱出した 円広志
絶対治る、そう確信が持てる日がある反面、ほんとうに治るのかと疑心暗鬼になることもあった。
一進一退の日々、揺れる心にしみた言葉が「円さん、パニック障害では絶対死なないから」という医師の言葉だった。
「パニック障害で倒れそうなんですよ」
「本当に倒れたの?」
「いや、倒れていないです」
「円さん、倒れそうで倒れない。実際倒れた人はいないんだよ。この病気で死ぬ人もいない。それがパニック障害です」
パニック障害で死んだ人は1人もいないのだ。
それを聞いて僕はすごくうれしかった。
絶対に倒れないし、死なない。
そうなるような気がするだけなのだ。
その後瞑想を始めた。
一種のリラクゼーションだ。
目をつぶって何かが見えたら、消そうとしないでそのままにしておく。
体の力が抜けていくように、自分ですべての力を抜いていくのだ。
すると、やがて指先に血が集まってくる。
そして、手先が暖かくなってくるのだ。
そうやって体の血流が豊かになり、体がリラックスする。
瞑想や座禅している人の脳波を検査すると、アルファ波が流れていたそうである。